メカブ(メカPのブログ)

技術解説やアイマス動画の感想など。

メカPの2020年上半期ニコマス20選(大遅刻)

このエントリーは2020年上半期ニコマス20選への参加エントリーです。
「2020年上半期にニコニコ動画に投稿されたアイマス作品からお気に入りの20作品を選んで紹介記事を書こう!」
という趣旨の企画になります。レギュレーションはこちら
本当は7/31が締め切りだったのですが、8/23に記事を書いています……。いつも遅刻で本当にすみません!

それでは以下、20本紹介してイキます!

●たべるんご部門

たべるんごのうた

バチ さん

第9回シンデレラガール総選挙をも巻き込んで一大ムーブメントとなったたべるんごブーム。
ブーム前夜の流れをイチ当事者として思い返すに、やはりブームの誕生は些細なきっかけの積み重ねによる偶発的なものであり、人と人・作品と作品が影響しあって生まれたドラマチックなノンフィクションであり、決して必然などではなかった。「左端の余白」という活用性の高さ、「BB配布」という素材化への指向性、辻野あかりが背負う物語の王道性。これらがブームの素地になったことに異論はないが、そのポテンシャルという苗に水をやっていたのは個々の投稿者の思いであり、必然なんかよりずっと奇跡的で運命的な展開だった。
ここまで書いておいてなんだが、「たべるんごブーム評」をもって「たべるんごのうた評」とすることへの迷いも正直ある。アップルパイに焼きりんごにりんごジャムと、りんごスイーツを語る言葉を重ねたところでりんごそのものを語ったことになるだろうか……?
ただ一つ間違いなく言えるのは、たべるんご界隈の顔として一緒にブームを楽しんでくれた人がバチさんで本当に良かったということだ。
みんなが集まって一つのムーブメントに熱狂する体験が楽しかったし、ブームを構成する一つ一つの作品も本当に大好きだった。その筆頭がこの「たべるんごのうた」だった。

たべるんごのうたマン

伯方 さん

これを見てゲラゲラ笑って自分でも何か作りたいなーと思って思い付いたのが「たべるんごのうただ」だった。
他のキャラに歌わせる発想も配置も全部うたマンの影響です。

たべるんごのうただ

メカP

私が作りました(生産者表示)。今期はエミリーバンバンとか恋鐘ちゃんとか色々作ったけど影響の大きさを考えるとこれかなって。
これをきっかけに第二次たべるんごブームが起こって、急に時の人になっちゃうんだからブームってのは恐ろしいもので(ビリバン以来1ヶ月ぶり2回目)。ブームの元凶と呼ばれることに対しては他人事感と当事者意識が半分半分なんだけど、まあ注目されちゃったからには色々やろうかと積極的にブームにノリにいった結果大変楽しかった。
あとブームを抜きにしてもやっぱり自分好みの動画だな~と。動画内のネタのキレじゃなく動画そのもののコンセプトで殴る点がお気に入り。


Staんご By Meのうた

ケツからスパゲッティ さん

初手が強すぎるし、2番がズルすぎる。正直一番好きまである。


島人んご宝

kakkato さん

産地偽装コンセプトからの「イーヤーサーサー」が追い打ちとして秀逸すぎて大好き。
歌声の伸びやかさ・人力の心地よさとネタの面白さが備わってて最強なので何度でも見に行ってしまう。


カノンごのうた 《 声 が あ る か ら 歌 い 続 け る 》

一匹狼くん さん

AIシンガーきりたんを使ったたべるんごMADの金字塔。
「AIシンガーきりたんってこんなことも出来るんだ!」という新鮮な驚きに満ちた技術への感動は初音ミクを初めてマイリスト登録したときに似ていて。
辻野あかり、たべるんご、シンデレラガールズ要素を取り入れた歌詞の完成度も高く、幸福感溢れる歌詞が幸福感溢れるメロディに載せてリフレインする体験の多幸感がものすごい。
MADながら実は原曲「パッヘルベルのカノン」の視聴体験として純度がめちゃくちゃ高いのも大きなポイントだと思っていて。歌詞に注目しながら聴くことでカノン様式の繰り返し構成がはっきり意識でき、歌詞に感動しながらカノンの芸術性にも感動してしまう相互触媒のような構成は奇跡的。
本家を抜いて全たべるんご中マイリスト数1位も納得の完成度。


【たべるんごのうた】Eat Apple!! のうた【full】

おさしみ さん

たべるんごブームの中で誰もが予想した選曲ながら皆の期待を飛び越えてくれた名作。
ダウナーな歌詞世界が山形の境遇とマッチしていて普通に感心してしまう名作性があるが、やはり結びの歌詞がこの作品を傑作たらしめている。


ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界(山形)より

らすくP

第一次ブームに近い趣向のたべるんご。
映像や展開での盛り上げ方・畳み掛け方がセンス抜群で、何度も聞いてしまう中毒性がある。
カラヤんごの語呂の良さもすき。


☆私は上に行くんご☆辻野あかりボイス&総選挙応援一人テニミュ【あいつこそがテニスの王子様

屋良斗 さん

遅咲きで脚光を浴びたんごんご動画に続き、ネタを楽しみながらあかりのダイマを聞けるコンセプトが嬉しい、満腹感のある名作。
屋良斗さんはわんさかPと並び、多彩なスタイルであかりの魅力を発信する、ニコマス辻野あかりPの二大巨塔という印象。たべるんご以前からのあかりPがたべるんごブームを取り入れながら積極的にあかりをプッシュする動画をどんどん出してくれたのも、たべるんご界隈・あかり界隈に温かさを感じる大きな要因だった思う。
元歌詞を活かした替え歌のセンスと担当愛溢れるフレーズの採用が光り、同じく替え歌を嗜む自分としては嫉妬を覚えるばかり。
「↓この子が辻野」「↓この子があかり」という一貫した注釈も初見さんへの配慮と担当自慢を同時に感じさせ、名ベーシストの演奏のように作品全体を通底する心地よさを形成していて素晴らしかった。


恋ダんごのうた

もすもす さん

サビの棒グラフ飛び越えるシーンが大好きで全たべるんごMADのハイライト映像を作るとしたら絶対選ぶと思う。
サビまでは王道たべるんごMADとして完成度が高いのに、そこから暴走して星野源ネタをぶっ込んでくる構成も大好き。


ここからたべるんご以外です。


●非たべるんご部門

【完成版】餃子、パリッとP.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~【第1回シャニマス投稿祭作品】

virgo cat さん

文句なしに今期一番ノリノリになれる動画。
明るく突き抜けながらエモさを感じさせる元曲のメロディに、トンチキながら楽しく大好きな思い出に溢れたシャニの音素材や映像が組み合わさり、曲と素材両方の魅力が相互に高め合うような傑作性が最高。
激辛の麻婆豆腐を食べると舌が辛さを感じなくなって逆に油の甘みを感じやすくなるのと一緒で(共感しづらい例え)、楽しさがメーター振り切れるとトンチキさとかはどうでも良くなって、却ってエモさの方が沁みてくる、そんな感じ。
仮面ライダーは未履修の自分でも楽しめたが、「OQ(元映画)は0点か100点にしかならない、あれに50点つける奴は真の狂人」といった尖った評価に湧くコメント欄を見ると原作も気になってくる。


アイマス曲「薄紅」をビリーバンバン菅原進が歌ってみた。
ビリーバンバン 菅原進さん

メカPとかいう素人が作った人力ボカロカバーをフォーク界のレジェンドであるご本人がセルフカバーしちゃったやつ。たべるんごと並ぶ今期二大大事件で、個人的にもそうだけどニコマス界隈的にもそうだったはず。
当時の自分の気持ちは界隈の反応をまとめたTogetherだったりJ-Castニュースに取材された記事で述べているけど、やっぱり「曲と歌い手の出会いを通して双方の新しい一面や魅力に出逢える」というのがアイドルマスターが歩んできた道と一緒だなあという思いが強く、感慨深い。
菅原進さんはこの作品をきっかけに人力作品のセルフカバーを離れて色々な歌を発信されていて、「ビリーバンバンさんなら予想を裏切りつつ期待を上回る面白いことをやってくれるはず」という展開の読めなさにも定評があり、オンライン配信ライブにアイマスPが大挙して集まったりと、半年前には想像も出来なかった状況になっている。冷静に考えるとCMを通して親しんでいた大御所の歌声を、アイマスコラボという形で身近に楽しめている今の状況は奇跡みたいなものだと思う。この先も、自分が引き起こした状況ということには極力目をそむけつつ、いちファンとして色々な仕掛けを全力で楽しませてもらいたい。


チュパカブlyers!!!

ジョコリコ さん

チュパカブラ音源のゴリ押しが面白いし、ゴリ押しを丁寧に映像化してるのもほんとすき。
この半年後にミリオン公式でチュパカブラの曲が出て「マトモな方」とか呼ばれるオチまで含めて最高。
Flyersはどうしてこういうポジションになっちゃったの。


【人力VOCALOID】聖・少・女・領・域【幽谷霧子】

眠子 さん

絶対間違いない選曲! 絶対間違いない眠子さんの人力! なるべくしてなった名作。
眠子さんはロングトーンの音チョイスが秀逸だと思っていて、この曲は音数多いメロディながらロングトーンで聞かせるフレーズが多いので相性も良い。
映像も毎度毎度素晴らしく、よしのんのアマテラスひなたのインベーダーインベーダー輝子の天樂、などなど映像含めて好きになってしまう作品が多く、今作もその一つ。


キモオタ風野

キンクロ さん

がわ゛い゛い゛な゛ぁ゛ま゛のぐん゛
柔らかで美麗なイラストをドブみたいなシナリオに捨てていく姿勢にinm@sの美学を感じる。
ボスプラスル兄貴特有のオリジナルオチや本社爆破にもinm@sのDNAを感じてエモかった(棒読み)。
ピーちゃん迫真の警告、おやすみブースト、龍崎薫など原作ファンが楽しめるネタに事欠かないのも高評価ポイント。
Twitterで描いているシャニマス百合(オブラート)も良いけど、動画新作も楽しみに待っている。


ぎりぎり義理でござyers!!!

象ちゃんですP

象ちゃんですPの天才性を改めて突きつけられた傑作。
音MADには音ハメの気持ちよさを追求する方向性もあるけど、象ちゃんですPの本領は素材の意味を活かしたり捻ったりして繰り出すギャグ百連発みたいな方向性だと思う。
本作で言えばマイナーアニメの空耳、コロッケになる凛世、前作主人公霧子、突然の未来ちゃなどなど、面白さを見いだせる受け皿の広さ、それを面白くまとめ上げられる料理の腕、つまるところ笑いのセンスが卓越している。
そして何より最後のシメが本作を傑作から不朽の傑作にしている。加速するテンポに「お前さ」の意味変活用の畳み掛けはもはや芸術と言ってよい。元々強かったスタープラチナが時間停止を身に着けたような無敵感がある。これ以上に気持ちの良いオチは今後シャニマスMADで見れる気がせず、見れるとすればそれは象ちゃんですP自身によってしか更新できないという確信がある。


大乱闘ワンダリングドリームチェイサーズ.run()

謝罪P

キンクロさんと並ぶinm@sの新星。今期はinm@sが豊作だった。
画力もさることながら、容赦なく首を〆る冬優子、手を繋ぐあさめい、WDCをBGMしたリズミカルスマブラなど名シーンが多く、原作解釈力と演出力の高さが光る。
侵入シーンのガシャ演出はご本人でなく知人のアイディアとのことだが、ここだけのために何度も見返してしまうほどの屈指のお気に入りシーン。
連発できるネタではないのは承知の上だが、新作を楽しみにしている。


自転車泥棒合作 -ダメよ~合作なんて-

合作動画

神谷奈緒なので実質アイマスです。見ればわかる。
ネタの密度と勢いに初見で大笑いした傑作。
投稿者の芋タルト氏が怪物みたいなセンスしているのは知っていたものの、多人数合作なのに全編とおして飛び道具みたいな暴力的な面白さが途切れないことが恐ろしく、センスの怪物みたいな人を揃えたまとめ人の手腕に思いを馳せ、視聴後の余韻の中で普通に感動してしまった。しかも音MAD界隈の尖った価値観と一般の視聴者ウケが両立出来ているように思える。
その上でそんなすごいセンスを投下する先が「ダメ万」というのが最高に笑える。
これで視聴率が2万程度というのもヤバい。みんなもっと見て。


「キワミブレイバー」by 放課後CCOマッコトガールズ【音MAD】
岩鉄ハガネール さん

上半期も終了間近に現れた半期末の怪物。
音ハメが気持ちよすぎるし、畳み掛け方の密度が高すぎる。キワミに主役を譲りながら要所で挟まれるシャニマスネタのキレ味も素晴らしい。ほんと最高。ほんとすき。


月曜日のくりぃむしちゅー池田

JR根岸線関内駅」から徒歩5分 さん

半期末の怪物その2。
「にゅう!」一つでゴリ押す導入部がビジュアルと合わせてここだけで異彩を放つ名作として成立。
メロはレスシリとして秀作という感じだけどサビでまた確変して、「シュー…」「アッー!!!」のコンボが強制的に笑わせてくるパワーが強すぎる上に畳み掛けが凄くて完全敗北。
関内さんはコンスタントに傑作連発しててほんとすごいし、この人が元気なうちはニコマスは大丈夫と勝手ながら心強く思っている。


たべるんごのうたをボサノヴァ風にしてみた

ゆめ さん

サムネ一選。
ごりんと迷ったけどあかりの笑顔が眩しかったのでこっちで。


総評

前記事で書いたとおり、ニコマス史に残る大事件であるたべるんごブームが直撃したこの2020年上半期だったが、20選をとおして振り返ってみると他の動画も負けないくらい元気で、ニコマスの地盤の強さを感じられた。
続いてきた流れと新しい流れが併存して今を作っている感じがとても居心地が良く、ニコマスの雰囲気好きだなーと改めて思った次第。
下半期も変わらず気負わず楽しんでいきたい。